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2019/11/15 23:02


『こんなモダンな小代焼があるんだ!』

私たちが一先窯の器と初めて出会った時の第一印象が、まさにそうでした。
伝統的な青小代の釉薬をモダンなフォルムに落とし込み、それがまた違和感なくしっくりとした佇まいに。
小代焼と言えば、素朴で重厚かつ力強さのある焼き物といった印象を持っていたので、
初めて手にした時の衝撃は今でも鮮明に覚えています。

そんな感動をもたらしてくれた器を作られているのは、熊本県玉名郡長洲町にある一先窯の2代目、山口友一さん。12軒ある小代焼の窯元の中で最も若い窯主でもあります。
友一さんの作るしなやかな曲線美は、じっと眺めていると吸い込まれるかのように見る側の感性も刺激されます。
藁灰釉をベースに、しっとりとした柔らかな印象の白化粧土や、シックな黒釉を用いたシリーズなど、同じ形でも釉薬が異なるだけでこんなにも印象がガラリと変わるものかと、驚かされます。

これらの美しいフォルムは、ろくろや、タタラ作りと呼ばれる人の手によって形成されているもの。
優しい肌触りは、手にした時の土のぬくもりを感じさせてくれるのです。

地元の土を掘り起こし、地元の藁を釉薬にして、地元に拘った器たち。そして材料は天然のもの。
小代焼ならではの手法や伝統を守りながらも、常に新しい表現や可能性を追求されている器作りは
新しいシリーズが出るたびに、毎回ワクワクします。

我が家では、息子の離乳食の器として、一先窯の蕎麦猪口を毎日愛用しました。
将来息子が成人を迎えた頃、その蕎麦猪口にお酒を入れて乾杯するのが夢です。